2012年7月2日月曜日

東北地域の空港までのアクセス

仙台は建設が決定

東北の拠点空港として発展している仙台空港にも、アクセス鉄道の建設が始まっている。JR仙台駅から空港(現在はバスで約四〇分)までの七キロに建設するもので、二〇〇六年度に完成すれば七分(快速)で結ばれる。

天神から11分の福岡空港

日本でアクセスが一番便利な空港は、福岡空港だ。福岡市の中心部を走っている地下鉄を延長し、博多(JR)から五分、天神から11分、姪浜からでも25分でターミナルビルに到着する。

所要時間の短さに加え、41分という短い運転間隔は市内の交通機関ならではの便利さだ。列車は姪浜からそのままJRの筑肥線に乗り入れ、唐津までを1時間30分で結ぶ。

宮崎から直通列車が開通

日本でもっとも新しい空港アクセス鉄道だ。日南線の田吉付近から2.6キロの専用線を引き込み、宮崎から10分前後で到着する。空港からは日豊本線で延岡(所要時間1時間15分程度)や博多行きの特急も出発している。

空港の交通アクセス

伊丹にできたモノレール

大阪都心(梅田)と伊丹空港を結ぶ空港バスは所要時間が約三〇分で便利だが、ラッシュ時は高速道路が渋滞し、乗っている乗客はやきもきする。

近年開通したモノレールは都心と直接結んではいないが、空港から千里中央(一三分)を通って門真市までを三六分で走る。したがって、なんば、心斎橋方面からの地下鉄に乗り、千里中央でモノレールに乗り換えると、梅田から四〇分程度(電車の乗車時間は二九分)で、ターミナルビルに確実に到達できる。

関空は鉄道が一番便利

関西空港は当初から鉄道をアクセス交通のメインに位置づけていただけあって、便利だ。鉄道の改札口を出て空港のターミナルビルへ向かうと、一直線で同じフロアにある出発カウンターに到達できるのは気持ちがよい。

JRは京都から新大阪(所要時間四六分)、天王寺-関西空港(同三〇分)の特急「はるか」が三〇分ごとに走っているほか、和歌山からの普通電車が日根野で空港線に接続する。私鉄は「鉄人28号」とアダ名された南海電車の特急「ラピート」が、なんばとの間を三〇分で結んでいる。

札幌まで意外とかかる新千歳空港

新千歳空港は、日本で最初に鉄道をターミナルビルまで引き込んだ空港だ。到着客がビルの地下まで降りていくと、ホームに札幌行きの列車が待っている。

特に北国の冬に寒風や雨にもあわずにアクセス交通に乗り継げるのは、ほんとうに有難い。本土の人間が札幌空港などと呼ぶように、札幌市の一部にあるかのように誤解していると、所要時間は10分前後かと思ってしまうのだが、実際は快速で三六分もの距離がある。快速は一五分間隔なので、アクセス時間としては札幌市内まで一時間をみておく必要がある。

ようやく便利になりてきた国内空港へのアクセス

羽田空港には京急が乗り入れ

九八年にターミナルビル地下に京浜急行が直接乗り入れを始めたことにより、羽田空港へのアクセスは格段に便利になった。モノレールだけのときは、いずれの方面からでもJRの浜松町で乗り換えて空港へ向かったのだが、階段の利用も少なくなって航空旅客の乗り換えの手間は大幅に軽減された。

京急は品川から一五(快速特急)1二六分(急行)で結ぶが、新橋、宝町、人形町など都心の東側を抜ける都営地下鉄浅草線、京成電鉄と相互乗り入れをして成田空港までエアポート快速特急で約二一〇分)直通運転もしている。

将来的には、都営浅草線を東京駅まで乗り入れるのと、蒲田駅で東急電鉄との線路をつなぐ構想があり、ますます便利になりそうだ。渋谷から直通の列車が乗り入れることが実現すれば、東急沿線の住民だけでなく、京王、小田急沿線の住民も楽になる。

成田空港は鉄道抜きでは成り立たない

当初の成田空港の地下駅は、将来建設する構想の「成田新幹線」用に用意されたものだったため、開港当時のアクセス交通は、箱崎から運行されるリムジンバスに全面的に頼らざるを得なかった。

多くの乗客が不満をこらえ、高速道路のラッシュに肝を冷やしながら成田へ向かっていたが、運輸省はいつできるかもわからない新幹線のために計画を変更しようとはしなかった。

ところが、時の運輸大臣だった石原慎太郎氏が窮状を見かね、「鶴のひと声」で在来線の乗り入れが決まり、近くを走っているJRと京成が地下駅への線路をつないだ。

いまや東京駅と空港を六〇分で結ぶ成田エクスプレスはJRの稼ぎ頭となり、北は大宮、池袋、西は新宿、南は横浜、大船まで延長運転されている。確かに成田エクスプレスは快適で、運転本数も多いが、運賃は高い(東京駅―成田空港二九四〇円)のと、立ち席が認められていないのが残念だ。

一方、京成の空港特急スカイライナーは上野または日暮里から六〇分で1000円安い。もっとも安いのは京成の普通の特急で、所要時間は七二分かかるものの運賃は1000円ポッキリだ。

探せばまだある喫煙便

飛行機の世界ではあっというまに世界中で禁煙になってしまった感がある。米国が自国発着便を全面禁煙にしたのに続き、日系エアラインも実施に踏み切った結果、喫煙族は肩身の狭い思いをしている。

筆者は喫煙の経験がないので、全面禁煙はありがたいのだが、トイレでの隠れタバコがなくならない現状を聞くと、長距離便での全面禁煙はかえって危ない気がする。本来は、排煙装置をつけて一部に喫煙席を設けるのが一番理にかなっていると思うのだが・・・。

欧州方面はオーストリア、フィンランド、アリタリア、アエロフロートが、アジアではトルコ、マレーシア、エアーインディア、パキスタン、エジプト航空が喫煙席を一部残している。国内線では一部の反対を押し切って、エアードウが二〇〇〇年一二月より復活させたものの、再び禁煙に戻した。

空港といえば「街から遠い」「行くまでがたいへん」というイメージがあったが、近年は空港までのアクセス鉄道が急速に整備されて便利になった。時間に正確という鉄道のメリットは、航空旅客に安心感を与えている。しかも大きな荷物を持つ航空旅客にとっては、乗り換えのないことが評価の重要なポイントだ。

機内誌から情報を得る

飛行に入ると、前席の座席ポケットに入っている機内誌をパラパラとめくる人は多いのだが、たいていは途中でやめてしまう。ところが、乗客にとっての重要な情報は最後の一〇ページにまとめられているのだ。機内のアナウンスは、乗客が機内誌に記載されている情報を前提になされるので、ここの情報には注意する必要がある。

まずは飛行ルート図。路線図と違って詳細な地図を使って飛行ルートを示しているので、どこを飛んでいくのかが理解できる。二つめは使用機種の説明で、搭乗機の性能や客室内の図を見れる。

機内での自分の位置、非常口の位置、そしてトイレがどこにどれだけ設置されているのかが確認できれば、空いているトイレを探すことも可能だ。ジャンボ機の後部にひとつだけある、広めのトイレも発見できる。

そして、機内の娯楽設備の案内。取り扱いの説明と、プログラムが記載されている。多くのエアラインでは、路線ごとに放映する映画のメニューと日本語の吹き替えの有無を告知してあるので、あらかじめ見たい映画の目星をつけておこう。

さらに、エアラインからのお知らせや一部の乗客には大切な情報が書かれていることも多い。乳児を連れた乗客は、紙オムツの用意やオムツの交換台の設置されているトイレなどの情報は重宝するはずだ。

エコノミークラス症候群

健康な人間でも、連続一〇時間を超えるフライトになると身体がつらい。近年では、日本からニューヨークなどアメリカ東海岸や、ロンドン、パリなどヨーロッパまで無着陸で飛行できるようになり、13-14時間の飛行になることも珍しくない。乾燥した機内で身動きもままならない狭い席で長時間座り続けていると、水分不足・運動不足に陥り、「エコノミークラス症候群」になると騒がれている。

エコノミークラス症候群とは、血流が停滞して起きる血行障害で、一九六八年に欧米の研究者によって発表された。飛行中は気圧が〇・八気圧(一五〇〇メートル級の山に登っているのと同じ状態)程度に薄くなる上に、身体を十分に動かさないため、下肢を流れる静脈に固まった血(血栓)ができるが、飛行機を降りて歩き出すと血栓が流れ出して血管に詰まる。詰まる場所によって症状が異なるわけで、肺に詰まっての呼吸不全や心肺停止、心臓の血管では心筋梗塞、脳の中なら脳血栓の発作を招く。兆候としては、足のむくみに表れる。

同じ飛行機でもファーストやビジネスクラスはスペースにも余裕があり、エコノミー席の乗客に被害が集中することから、「エコノミークラス症候群」と呼ばれているわけだ。

身体が堅くなってきた五〇歳以上の、肥満タイプの人に起きやすい。英国の新聞によれば世界で年間二一人ほどがこれが原因で命を落としているとのことだが、日本であまり知られていなかったのは、皮下脂肪の多い欧米人に多いとされてきたからだ。ところが、成田空港でも同空港クリニック開設以来の死亡者四六人の死因をあらためて分析してみたら、二五人が該当したという。

エコノミークラス症候群にならないためには、小刻みに水分を補給することと、身体をなるべく動かすことで、専門家は一時間に一回程度、軽く屈伸や運動することをすすめている。

確かに、トイレに立つおりに機内を一周してしまうとか、非常口辺りのスペースのある場所で屈伸運動すると、身体が楽になる。イスに座ったままでも、カカトの上げ下げを繰り返したり、体をねじってみるだけでも効果的だ。用意のよい友人に、竹踏みの竹を持参する人を知っているが、足裏のツボを刺激して実に気持ちがよいそうだ。