2016年4月5日火曜日

途上国累積債務問題は見通しがつかないままである

さて、途上国累積債務問題は見通しのつかぬまま現状維持が続くとすれば、途上国社会や政治の不安定化を激発するおそれがある。また、東欧圏諸国がIMF・世銀加盟の道を選び、西側責任分担が重くなる可能性もある。

さらに、途上国への先進国直接投資対象に対する「しのびよる国有化」、ナショナリズムめ昂揚、排外思想激発、そして国有化発動などの傾向を刺激するかもしれない。

そして基本的には先進国内部でも途上国債務処理の巧拙をめぐって競争が激化し、優勝劣敗が顕在化するであろう。われわれは今やヒューズの長さが不明な爆弾を抱えこんでいるのであいままではほぼ地域別に国際金融の動態を眺めてきたが、国際金融を動かしているゲームの個々の実像を横断的に眺めてみることとしよう。