日本経済が原油価額の高騰を吸収できたもう一つの、さらに重要な原因がある。それは日本の生産管理がアメリカ型から日本型に変わってきたことである。一九五〇年代の末には、日本の企業の大部分はアメリカ風の生産管理の手法を消化したが、どうしても、それになじめない部分があった。技術的な面に限って言えば、作業標準やメインテナンスの基本的な大切さは、アメリカでも日本でも中国でも変わりはない。問題は、その作業標準やメイシテナンスを、全ての作業者にしっかりと守ってもらうには、どのようにすれば良いかということである。それは、それぞれの国の日常習慣や文化や歴史によって、さまざまである。
アメリカの企業組織では、日本で言えば職長や班長に当たる監督者が、自己の責任と権限において、職場の作業員に正しい作業のやりかたを教え、監督し、まちかっていれば正すことで、職場の全員が作業標準を守ることを期待した。フォアマンが生産管理のかなめである。一九五〇年代の日本でも、その監督者に対する訓練方式が導入された。当時の日本の労働省職業安定局が編集した「TWI実務必携」(一九五四年)を開いてみると、作業の教え方や人の扱い方について、アメリカ風に微に入り細をうがって書いてある。
作業の教え方では、「簡単な短時間でできる仕事であったら、数分おきに来てみる必要がある」、「もし間違っていたら、当然それを直さなければならない。この場合にも、その間違った点だけを根気よく直すことが必要」とある。当たり前のことではあるが、アメリカの場合、教えるにせよ直すにせよ、それは企業との契約にもとづいての、フォアマンの責任と権限によることである。だから、職場の作業員同士で、教え合ったり直し合ったりすると、それはフォアマンの権限をおかすことになる。
そのうえ、アメリカの労働者は一人一人プロとしての職能意識が強いから、となりの労働者から「それは間違っているよ」などと言われると、プライドを害してしまう。人に教えるという義務も、企業との契約条項にはないから、教える方もおかしいのである。つまりアメリカでは、フォアマンも作業者も、それぞれ仕事の責任範囲が明確に決まっていて、その責任を各自が確実にはたすことが、生産管理の基本である。
2015年12月4日金曜日
2015年11月5日木曜日
アンクル・サムの円建て国債
エネルギー・防衛・資源の三点から常時弱点を抱えているのは日本であり、それはまた天下周知の事実でもあるので、せいぜい国際通貨として利用されるのは現在の四~六パーセント程度からせいぜい一割限度と思われる。とすれば抜本的な解決策にはとうていならない。では、日本人がドル建てで米国債を東京やニューヨークで買うようなことにしないで、米国自体が日本で円建て債を大量に発行してはどうか。一回で巨額の発行は市場に悪影響があるから小出しにしたって、アンクル・サムの円建て国債ならNTT株式以上に日本人の人気は集まるのではないか。
手取り円貨をドルに換えるために円売りドル買いが起き、ドル高になっても一八〇円ほどまでなら日本企業も米国企業も傷つかないのではないか。東芝カセットを下院前庭で叩き壊すのよりは、また次々と一五〇円から一四〇円、一三〇円、二一〇円と無限に円高にして日本企業の海外流出と日本人の怨みを買うよりは、はるかに妥当な施策ではないか。しかし、米国国内事情から、円建て米国債の日本での発行は困難視されているし、これは決定的に米国が日本に頭を下げることになり無理でもあり、米国人は為替差損益が理解困難である。
無限に日本人が米国債や株式を買い、円建て貸付けを米国企業にしてゆくか、米企業が日本国内でサムライ債発行を続けてゆくか、またはユーロ円の起債をしてゆくことになるのか。しかし、いつかは必ず、どんな方式をとったところで、いずれは限界点に達するであろう。日本投資家がもうドル建て証券は買わぬといえば、現在の均衡はたちどころに崩壊し、米国金利は上昇し、ドルの暴落も起こりうるし、インフレは再燃する。しかし、米国自体も無限に債務を増加してゆくわけにはいかない。
手取り円貨をドルに換えるために円売りドル買いが起き、ドル高になっても一八〇円ほどまでなら日本企業も米国企業も傷つかないのではないか。東芝カセットを下院前庭で叩き壊すのよりは、また次々と一五〇円から一四〇円、一三〇円、二一〇円と無限に円高にして日本企業の海外流出と日本人の怨みを買うよりは、はるかに妥当な施策ではないか。しかし、米国国内事情から、円建て米国債の日本での発行は困難視されているし、これは決定的に米国が日本に頭を下げることになり無理でもあり、米国人は為替差損益が理解困難である。
無限に日本人が米国債や株式を買い、円建て貸付けを米国企業にしてゆくか、米企業が日本国内でサムライ債発行を続けてゆくか、またはユーロ円の起債をしてゆくことになるのか。しかし、いつかは必ず、どんな方式をとったところで、いずれは限界点に達するであろう。日本投資家がもうドル建て証券は買わぬといえば、現在の均衡はたちどころに崩壊し、米国金利は上昇し、ドルの暴落も起こりうるし、インフレは再燃する。しかし、米国自体も無限に債務を増加してゆくわけにはいかない。
2015年10月5日月曜日
強制加入者
改正前の日本の年金制度は各制度が独立し、相互の関連がなかったが、基礎年金は各制度に共通する部分として設けられた。国民が受ける年金のうち、基礎的な部分を、基礎年金によって統一したものである。基礎年金には、老齢基礎年金、障害基礎年金、遺族基礎年金の三種類があり、それぞれの状況に応じて支給される。障害基礎年金と老齢基礎年金というように二つの年金の受給権ができたときは、本人の選択によりその一つが支給される。
基礎年金ときくと、まったく新しい制度と思うかもしれないが、その仕組みなどは従来の国民年金をひきつぐので、単純にいえば国民年金イコール基礎年金と考えて差支えない。原則として二〇歳から五九歳までの国民がすべて強制加入―つまり、加入しなければならないが、保険料の納め方等によって、加入者は第1号、第2号、第3号にわけられる。第2号から説明すると、これは厚生年金、共済年金などの被用者年金の加入者である。第3号は第2号、つまり被用者年金加入者に扶養されている配偶者、言いかえればサラリーマンの妻である。籍を同じくしていない、つまり事実婚の配偶者でも、生計をともにし、扶養されていれば第3号と認められる。
第1号は右の第2号、第3号以外の人々である。日本国内に住む自営業者、厚生年金が適用されていない事業所に働く人、二〇歳以上の学生などである。ただし従業員が五人未満で法人化されていない事業所には、厚生年金が適用されていない。第3号のサラリーマンの妻は年収一一〇万円未満なら保険料を納める必要はないが、これ以上の所得があると第1号となり、保険料を負担する。勤めに出て厚生年金加入者となると、第2号にかわる。
国民年金の加入は五九歳までであるが、希望すれば六〇歳以後六四歳まで加入できる。国民年金の加入期間が足りない人や、年金をより多く受けたい人は、この制度を利用できる。自営業者(第1号)、サラリーマンの妻(第3号)は、ともに六四歳まで任意加入できるが、この場合サラリーマンの妻は六〇歳からは第1号となり、保険料を払わなければならない。厚生年金、共済年金の老齢年金を受けている人も、六四歳まで任意加入できる。海外に住む日本国籍をもつ人は、二〇~六四歳まで任意加入できる。
厚生年金には、現役のサラリーマンは六四歳まで加入できるが、以後は加入できない。国民年金もこれにあわせて、六四歳まで任意加入できる制度とした。〔サラリーマンの妻の届出〕半年前に結婚し、夫はサラリーマンで厚生年金に加入しています。年金に関し、妻は市役所に届出をしなければいけないとききましたが、どのようにするのですか。夫が厚生年金(共済年金)の加入者で、その扶養をうけている妻、つまり専業主婦は、国民年金の強制加入者となります。そこで、夫が厚生年金等の加入者であり、その扶養をうけていることを、市区役所町村役場の国民年金係に届け出る必要があり、これが国民年金加入の手続きともなります。
基礎年金ときくと、まったく新しい制度と思うかもしれないが、その仕組みなどは従来の国民年金をひきつぐので、単純にいえば国民年金イコール基礎年金と考えて差支えない。原則として二〇歳から五九歳までの国民がすべて強制加入―つまり、加入しなければならないが、保険料の納め方等によって、加入者は第1号、第2号、第3号にわけられる。第2号から説明すると、これは厚生年金、共済年金などの被用者年金の加入者である。第3号は第2号、つまり被用者年金加入者に扶養されている配偶者、言いかえればサラリーマンの妻である。籍を同じくしていない、つまり事実婚の配偶者でも、生計をともにし、扶養されていれば第3号と認められる。
第1号は右の第2号、第3号以外の人々である。日本国内に住む自営業者、厚生年金が適用されていない事業所に働く人、二〇歳以上の学生などである。ただし従業員が五人未満で法人化されていない事業所には、厚生年金が適用されていない。第3号のサラリーマンの妻は年収一一〇万円未満なら保険料を納める必要はないが、これ以上の所得があると第1号となり、保険料を負担する。勤めに出て厚生年金加入者となると、第2号にかわる。
国民年金の加入は五九歳までであるが、希望すれば六〇歳以後六四歳まで加入できる。国民年金の加入期間が足りない人や、年金をより多く受けたい人は、この制度を利用できる。自営業者(第1号)、サラリーマンの妻(第3号)は、ともに六四歳まで任意加入できるが、この場合サラリーマンの妻は六〇歳からは第1号となり、保険料を払わなければならない。厚生年金、共済年金の老齢年金を受けている人も、六四歳まで任意加入できる。海外に住む日本国籍をもつ人は、二〇~六四歳まで任意加入できる。
厚生年金には、現役のサラリーマンは六四歳まで加入できるが、以後は加入できない。国民年金もこれにあわせて、六四歳まで任意加入できる制度とした。〔サラリーマンの妻の届出〕半年前に結婚し、夫はサラリーマンで厚生年金に加入しています。年金に関し、妻は市役所に届出をしなければいけないとききましたが、どのようにするのですか。夫が厚生年金(共済年金)の加入者で、その扶養をうけている妻、つまり専業主婦は、国民年金の強制加入者となります。そこで、夫が厚生年金等の加入者であり、その扶養をうけていることを、市区役所町村役場の国民年金係に届け出る必要があり、これが国民年金加入の手続きともなります。
登録:
投稿 (Atom)