ヨーロッパの中でもドイツ、スイスなどは在来鉄道による空港アクセスが整っていたが、近年はTGVなどの新幹線や国際特急列車を空港へ引き込むケースが増えている。
かつてのロンドン・ヒースロー空港の地下鉄はピカデリーサーカスまでの所要時間が五〇分かかっていたが、新たに空港会社が専用鉄道をパディントンまで引き、最高時速一六〇キロのヒースローエクスプレスを二〇分で走らせている。
パリのシャルル・ド・ゴール空港は開港時に高速鉄道P.ER(ロアシ・レール)を引いたこともあって、空港利用者の二割が利用している。パリ北駅まで三五分、オペラ座まで四五分。ターミナルビルCDG2に設けられた鉄道駅からはPERだけでなくヨーロッパ一円へのTGVが発着している。
アムステルダムのスキポール空港から中央駅までは電車で二〇分だが、治安があまりよくないの
で、観光客は避けた方がよい。
ドイツのフランクフルト空港から市の中央駅までは地下鉄Sバーンで二一分だが、近年工事を行って、国際特急列車ICEの空港乗り入れも始めた。
ミュンヘン空港へは市内の地下鉄Sバーンが郊外電車となって所要時間四〇分。スイスのジュネーブ・コアントラン空港はコルナバン駅から七分、チューリヒのクローテン空港から中央駅まではI〇分という近さである。
ターミナルビルから手荷物をカードに載せたままエスカレーターを下っていくと鉄道のホームに
そのまま降りられるので、とても便利だ。ウィーンのシュヒヤート空港から北駅までは三〇分、ブリュッセルのナショナル空港は中央駅まで二〇分だ。
東南アジアでは新しく建設された香港のチェクーラップーコク空港と九龍駅、香港島とをエアポートーエキスプレスが二三分で結ぶくらいで、他の空港はリムジンバスが一般的。
車社会アメリカでは、ボストンのローガン空港がダウンタウンと地下鉄で、アトランタのパーツフィールド空港がMARTA(アトランタ都市高速輸送会社)が明るく清潔な車両でダウンタウンとを結んでいる程度だが、建設中のポートランドやラスベガスなどを含めて、アクセス鉄道の構想を立てている空港は多い。
2012年8月23日木曜日
日本は大国である「乗り遅れ論」は間違い
南北首脳会談の実現をはじめ、二〇〇〇年にはロシアのプーチン大統領が史上初めて北朝鮮を訪問した。オルブライト米国務長官の北朝鮮訪問も、国務長官としては初めてであった。また、中朝首脳会談も行われた。ドイツやイギリスなどの欧州諸国も、北朝鮮との国交正常化の意向を明らかにした。
こうした諸外国の首脳と金正日総書記の会談を見ていると、日本はなんとなく国際政治の潮流に乗り遅れたようにみえる。だが、これは朝鮮半島の国際政治について、これまでの経過を知らないか歴史の教訓を学んでいない「素人」の見解である。北朝鮮が大きく変わる可能性は、極めて少ないからである。朝鮮半島の対話には、「揺り戻し」と「冷却化」がつきまとうからである。
アメリカ国内にはなお民主化もせず人権問題をかかえる北朝鮮との急速な関係改善に批判的な論調も少なくなかった(ロサンゼルス・タイムズ紙など)。それだけに、アメリカの新政権での揺り戻しは必至である。
「日本乗り遅れ論」は、周辺諸国の北朝鮮との関係改善で、何かしらないが「立ち遅れた」とのいらだちに似た感情から始まっている。だが、冷静に考えてほしい。
「米朝や南北、露朝の首脳会談で何が変わったのか」特に、何も大きく変わってはいないのである。日本の損失につながることが、何か起きているだろうか。北朝鮮がアメリカや韓国、はてはロシアや中国と手を結んで、日本と対抗しようとしているわけではないのである。日本の国益には、まったく影響がないのである。むしろ、黙っていても朝鮮半島での戦争の危険が大きく後退し、日本の安全保障を取り巻く環境は何もしなくてもよくなっている。これほど効果的な外交はない。
と同時に、日本はアジア最大の経済大国である現実を忘れてはならない。日本の国内総生産(GDP)は約五〇〇兆円で、韓国はわずかに四〇兆円でしかない。北朝鮮は四兆円弱といわれる。経済大国である日本の協力なしには、新しい時代の北朝鮮の安定と平和は実現できないのだ。
この単純な「戦略」さえわかっていれば、日本が決して乗り遅れない現実を理解できるはずである。日本は、アジア最大の大国である。大国には、大国らしい外交と政策の理念が求められる。外交の基本原則なしに「乗り遅れ論」で外交政策を変えれば、周辺諸国はもとより相手にも軽蔑され軽く見られることになる。
こうした諸外国の首脳と金正日総書記の会談を見ていると、日本はなんとなく国際政治の潮流に乗り遅れたようにみえる。だが、これは朝鮮半島の国際政治について、これまでの経過を知らないか歴史の教訓を学んでいない「素人」の見解である。北朝鮮が大きく変わる可能性は、極めて少ないからである。朝鮮半島の対話には、「揺り戻し」と「冷却化」がつきまとうからである。
アメリカ国内にはなお民主化もせず人権問題をかかえる北朝鮮との急速な関係改善に批判的な論調も少なくなかった(ロサンゼルス・タイムズ紙など)。それだけに、アメリカの新政権での揺り戻しは必至である。
「日本乗り遅れ論」は、周辺諸国の北朝鮮との関係改善で、何かしらないが「立ち遅れた」とのいらだちに似た感情から始まっている。だが、冷静に考えてほしい。
「米朝や南北、露朝の首脳会談で何が変わったのか」特に、何も大きく変わってはいないのである。日本の損失につながることが、何か起きているだろうか。北朝鮮がアメリカや韓国、はてはロシアや中国と手を結んで、日本と対抗しようとしているわけではないのである。日本の国益には、まったく影響がないのである。むしろ、黙っていても朝鮮半島での戦争の危険が大きく後退し、日本の安全保障を取り巻く環境は何もしなくてもよくなっている。これほど効果的な外交はない。
と同時に、日本はアジア最大の経済大国である現実を忘れてはならない。日本の国内総生産(GDP)は約五〇〇兆円で、韓国はわずかに四〇兆円でしかない。北朝鮮は四兆円弱といわれる。経済大国である日本の協力なしには、新しい時代の北朝鮮の安定と平和は実現できないのだ。
この単純な「戦略」さえわかっていれば、日本が決して乗り遅れない現実を理解できるはずである。日本は、アジア最大の大国である。大国には、大国らしい外交と政策の理念が求められる。外交の基本原則なしに「乗り遅れ論」で外交政策を変えれば、周辺諸国はもとより相手にも軽蔑され軽く見られることになる。
最大の懸案は拉致問題
日朝正常化交渉は、二〇〇〇年四月に第九回会談として再開された。北朝鮮側の主張からすれば、再開された交渉はこれまでの交渉の連続であり、新たな議題は取り上げないことになる。また、拉致問題は議題にならず「戦後の償い」には応じるべきであるというのが、北朝鮮の立場である。これは、日本の政治家が与党訪朝団などの合意文書で北朝鮮側の主張を認めるような形式を受け入れてしまったためである。政治家の勝手な合意で、交渉に当たる外交官が国益を守るために苦労させられているのであ・る。
日本人拉致疑惑では、日本政府は七件一〇人の日本人が拉致された可能性が極めて高く、それなりの証拠があるとしている。公安警察は、一〇〇人近い日本人が、拉致されて北朝鮮にいるとの見方である。これに対し、日本の政治家の中には「拉致したという証拠ぱないではないか」と、北朝鮮と同じような主張をする人物もいる。これは、間違いである。原軟晃さん拉致事件は、工作員が自白し韓国で服役したのである。これは、「証拠」以外の何物でもない。また、欧州で行方不明になった日本人が、平壌で生活している事実も明らかになっている。
こうした事実を検証すれば、何らかのかたちで北朝鮮から出国できなくなっている日本人がいるのは事実である。こうした男女の全員が、文字通り「拉致」された人たちでぱないかもしれない。北朝鮮でいい仕事があると編されて、「自由意志」で北朝鮮に渡ったが、その後自由を奪われ工作員の教育係などをさせられているケースもあるだろう。
日本政府としては、こうした日本人の問題解決に北朝鮮が何らかの前向きの対応を示さない限り、日朝正常化はできないという立場である。これは、外交政策としては正しい対応である。日本政府が、日本国民の生命に重大な関心を寄せていることを、国民はもとより北朝鮮に十分に理解させることは、大切である。そうでなければ、日本政府は国民の信頼を失うからだ。
外交とはそうした基本原則は強硬に主張しながらも、現実的な解決策を模索するものである。とりあえずは、北朝鮮が「被拉致日本人」の生死について、公式・非公式を問わず通告することがこの問題を解決する「誠意」の表明になる。ただ、日本人拉致問題は金正日総書記が決断しない限り、解決はない。日本の指導者や首相の特使が、直接金正日総書記と話し合うことが、解決への唯一の道である。それまでは、交渉担当者は「拉致問題が前進しない限り、日本国民は日朝正常化を認めない」と言い続けるしかない。政治家は、そうした外交戦略を妨害し、利敵行為をしてはならない。外交交渉は、アメリカのように超党派で交渉担当者を支援するしかないのである。
日本人拉致疑惑では、日本政府は七件一〇人の日本人が拉致された可能性が極めて高く、それなりの証拠があるとしている。公安警察は、一〇〇人近い日本人が、拉致されて北朝鮮にいるとの見方である。これに対し、日本の政治家の中には「拉致したという証拠ぱないではないか」と、北朝鮮と同じような主張をする人物もいる。これは、間違いである。原軟晃さん拉致事件は、工作員が自白し韓国で服役したのである。これは、「証拠」以外の何物でもない。また、欧州で行方不明になった日本人が、平壌で生活している事実も明らかになっている。
こうした事実を検証すれば、何らかのかたちで北朝鮮から出国できなくなっている日本人がいるのは事実である。こうした男女の全員が、文字通り「拉致」された人たちでぱないかもしれない。北朝鮮でいい仕事があると編されて、「自由意志」で北朝鮮に渡ったが、その後自由を奪われ工作員の教育係などをさせられているケースもあるだろう。
日本政府としては、こうした日本人の問題解決に北朝鮮が何らかの前向きの対応を示さない限り、日朝正常化はできないという立場である。これは、外交政策としては正しい対応である。日本政府が、日本国民の生命に重大な関心を寄せていることを、国民はもとより北朝鮮に十分に理解させることは、大切である。そうでなければ、日本政府は国民の信頼を失うからだ。
外交とはそうした基本原則は強硬に主張しながらも、現実的な解決策を模索するものである。とりあえずは、北朝鮮が「被拉致日本人」の生死について、公式・非公式を問わず通告することがこの問題を解決する「誠意」の表明になる。ただ、日本人拉致問題は金正日総書記が決断しない限り、解決はない。日本の指導者や首相の特使が、直接金正日総書記と話し合うことが、解決への唯一の道である。それまでは、交渉担当者は「拉致問題が前進しない限り、日本国民は日朝正常化を認めない」と言い続けるしかない。政治家は、そうした外交戦略を妨害し、利敵行為をしてはならない。外交交渉は、アメリカのように超党派で交渉担当者を支援するしかないのである。
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